心霊番組、民放では減っていく一方NHKでは増えている、そのカラクリとは

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心霊・超常現象番組が民放で減ってNHKで増えた理由とは?

 かつては夏になれば、民放各局がこぞって心霊番組を放送していたが、最近は減少傾向にある。その一方、NHKではこれまで積極的に扱ってこなかった超常現象関連の番組が増えている。心霊現象やオカルトなどの超常現象を巡って、民放やNHKの内部に一体なにか起こっているのか。その答えを業界関係者から聞き出すことに成功した。

「民放の心霊番組に関しては、たしかに以前ほどの本数はオンエアしていません。これは、過剰な演出ができなくなったことが理由の一つです」(テレビ局関係者)

 "過剰な演出"とは、一体どういうことだろうか。

「どこまで話していいのかわかりませんが、以前は心霊番組で流す映像に演出が加えられることがありました。ただし、最近は簡単な合成映像では視聴者にも気付かれてしまうため、近年は過剰な演出は避けるようになってきています。その代わりに幽霊が出るとされる家に固定カメラを設置し、部屋をモニタリングする形で、幽霊は出ないものの"出てくるんじゃないか"と煽るような番組が多くなってきたのです。つまりはドキュメンタリータッチの心霊番組です。しかし、決定的な幽霊が出なければ出ないで視聴率に結びつかない。そのため、結局は数字が問題になって、最近は減っているわけです」(同・テレビ局関係者)


 つまりは過剰な演出ができなくなり、リアル志向に走ってみたものの、視聴率が取れなくなったということだろう。それならば今後も民放各局から心霊番組が減っていく一方なのか。これに関しては現場のスタッフが答えてくれた。

「完全に無くなることはないと思います。最近は視聴者から投稿された心霊映像などを紹介する番組もあります。明らかに合成と思うような映像もありますが、あくまでも視聴者からの投稿なので、番組側は責められることがありません。映像の垂れ流しなのでお金もかからず、このパターンで今後は残っていくはずです。それに明らかに合成もあれば、かなりリアルなものもありますから、これはこれで面白いですよ」(テレビ番組制作ディレクター)

 責任回避のためとはいえ、このような形でも残るのであれば一安心だ。だが、NHKに超常現象関連の番組が増えているのは何故なのか。

 最近放送されたものを振り返ると、今年3月には心霊現象、生まれ変わり、テレパシーなどの"超常現象"の正体を探る『NHKスペシャル~超常現象科学者たちの挑戦~』が放送された。さらにNHK BSプレミアムではUFOや心霊現象などを科学的に検証する『幻解!超常ファイル ダークサイド・ミステリー』が2013年から不定期放送されており、今年4月からは地上波でも放送されるようになった。

 このような状況の裏には、どんな事情があるのだろうか。NHKの事情に詳しい放送作家が話を聞かせてくれた。

「NHKにこの種の番組が増えたのは、今はどこの放送局もお金がないので、民放がこのジャンルに手を出せなくなっていることが関係しています。そのことに気付いたNHKが、続々と番組を作っていると聞きました」(放送作家)

 たしかに民放において、以前より減少しているのは前記のとおりだが、なぜこのジャンルの番組は多大な予算がかかるのだろうか。

「様々なテレビ番組がある中で、ベストスリーに入るほど制作費がかかるジャンルです。まず超常現象番組はクレーム対策が重要です。どんなことに対しても肯定派と否定派がいるため、双方に配慮しなければいけません。さらに、間違った情報を出してしまうと電話回線がパンクするほど電話が来るため、企画段階から専門家の監修が必要になります。それらに加えてVTR中のナレーションや司会者のコメントもひとつずつ精査していかないといけません。これらを言葉にするのは簡単ですが、行なうにはかなり時間がかかり、そのぶん制作費もかかるんですよ」(番組制作会社ディレクター)

 これほどまでの手間がかかるのであれば、予算が高額になるのも納得がいく。しかし、その他にもお金はかかるという。

「たとえば心霊現象を検証する際、VTR内で一般の方が撮影した映像を使うこともあります。その場合、たとえば暗くなっている部分を明るくしたり、状況説明のためにCGを用いたりと、わかりやすく加工する必要があり、その費用もかかるんです。最近の民放では、一般視聴者の映像をそのまま流すような番組もあり、そのくらい雑に作るならばお金もさほどかからないものの、まともに検証しようとすればするほど予算が膨大になります」(同・番組制作会社ディレクター)

 予算がネックとなって民放では凝った作りにできないことは理解できた。だが、なぜNHKは予算がかかる番組に手を出しているのだろうか。

「NHKは天邪鬼で、民放が手を出せない部分をピックアップするのが好きなんですよ。予算もスタッフも局内に山のように存在しますから、自分たちこそが放送文化を背負っていると誇示するべく、民放ができないことに積極的に手を出したがるのです。

 TBSやフジテレビ、日本テレビなどが番組制作に使えるお金は年間で800億円から900億円程度なんですが、NHKは1600億~2000億円と言われています。予算がないなんてことは有り得ないんです。情報収集するスタッフの人数も桁違いですし。でも、やはりNHKなので超常現象を肯定することはなく、非科学的なものは否定するというスタンスですけどね」(放送作家)

 NHKには超常現象関連の番組が増えているのは、潤沢な予算を使い、民放ができないことを行なうというスタイルが影響している、というわけだ。しかし、そのお金も全ては国民からの受信料であることを忘れないでいただきたいものである。(文=吉沢ひかる)

http://www.msn.com/ja-jp/news/opinion/a/ar-BBaiUAo

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