体験談18
会社の独身寮での出来事。
夜、ふと目が覚めると天井に見知らぬ顔が見えます。
男であるのか女であるのか分かりません。
部屋が暗かったのですが、なぜか顔は見えました。なぜか体は見えませんでした。
恐ろしいのですが、目を閉じることも出来ず、体も動かない状態です。
体に力は入りますが動かそうとしても、動かないようにワザと力んでいるような状態です。
しばらく、その顔とにらめっこしていましたが、その顔がいきなり落ちてきました。
その時、やっと目を閉じることが出来ましたが、枕元から私の顔を覗き込んでいる気配がします。
どうしようもなく怖くて、逃げたくて、体を動かそうにも動かせないのです。
随分もがいた末、やっと体を動かせました。
慌てて、部屋の電気を点け、見渡しても誰も見当たりません。
気のせいか寝ぼけていたのだろうと自分に言い聞かせ、つい心の中でこう叫びました。
「幽霊! いるんだった、部屋の電気を消してみろ!」
その瞬間、部屋の電気が消えました。
恐ろしくて、その日は部屋で寝ることが出来ず、コンビニで一夜を過ごしました。
その後5年くらいその部屋で暮らしましたが、あれ以来、あのような事は起こりませんでした。