鎮守の結界
町の外れにぽつんと建つ小さな神社がある。その神社には、噂として伝えられている話がある。
「鎮守の森の奥には、“常世”がある。決して奥へ踏み込んではならない」というもの。
夏休みのある日、大学生のNさんは、都市伝説を集める趣味の延長でその神社を訪れた。古びた鳥居の奥に見える社殿は傾き、境内は静まり返っていた。
Nさんの目的は、神社の裏にあるという“封じられた祠”を撮影することだった。地元で仕入れた噂によれば、その祠は「異界と繋がっている」という。
さっそく、神社の裏の鎮守の森の中へと足を踏み入れる。すると、すぐに空気が変わった。風も音もない。まるで空間そのものがねじれているような、胸の奥に圧がかかる感覚。
しばらく進むと、しめ縄の張られた苔むした石の祠を見つけた。近づいていくとNさんはふと、背後に何かの気配を感じた。
しかし、振り返っても、そこには誰もいなかった。辺りを見渡してみても誰もいない。
ただ、風も音もなかったはずの森の中に、かすかな足音のようなものが聞こえた。枯れ葉を踏むような、重い音。だが辺りには誰の姿も見えない。
気のせいか、と自分に言い聞かせてNさんは再びカメラを構え、祠の写真を撮った。
そのときだった。
「カシャ」という音が、彼のカメラからではなく、すぐ後ろから聞こえた。
心臓が跳ねた。思わず振り返る。だが、やはり誰もいない。鳥の声ひとつしない森。冷たい汗が背中を伝う。
気味が悪くなり、もう引き返そうとしたそのとき、何かに「見られていた」感覚が、背中にねっとりと絡みついて離れなかった。
あたりには防犯カメラもない。もちろん人影もない。それでも、何かに“見張られている”という妙な確信があった。
足早に神社を出て、家に戻ったNさんは、カメラのデータを確認した。
祠の写真は、全部で3枚。
自分がシャッターを押したのは1枚だけだったはず。
見てみると、残りの2枚は、どう見ても自分が写っている。1枚目は祠の前でカメラを構えている自分の背中。2枚目は、少し引いた位置から、森の中に立つ自分の全身を捉えていた。
いずれも、撮影された角度からして自分では絶対に撮れない構図だった。何かの拍子に間違えてシャッターを押してしまったとしても写せる角度ではない。
けれど、写真にはしっかりと自分が“撮られて”いた。
不審に思い、次の日、神社を再訪した。
だが、神社の裏に続く森の入口には、前にはなかった新しい柵が立てられ、こう書かれた札が下がっていた。
「関係者以外立入禁止」
いつ設置されたのか不明だったが、町の人に聞いたら、「その柵は元からずっとあった」と言う。
昨日、足を踏み入れたあの場所はなんだったのか。撮影された写真はなんだったのか。
あの神社の森の奥にある“常世”と、なにか関係があるのかは解らない。
オカルト番組表
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