まとわりつく蚊

まとわりつく蚊

作成日:2025年08月05日(火)15:14

(社会人のYさんの話)

その日の夜はとても蒸し暑く、冷房の効いた自室のベットの上で、部屋の明かりを落とし、ずっと横になっていた。
しかし、疲れていないせいか全然眠れない。目が冴えるばかりで、気がつけば午前1時を過ぎていた。

このまま横になっていても眠れる気がしないので、ふと思い立って、家を抜け出した。近所の小さな公園へ向かい、途中で自動販売機で飲み物を買い、誰もいないベンチに腰を下ろす。少しだけ吹く風が蒸し暑くも心地よい。

ただ、それも束の間だった。

「…ぷぅぅん……」

耳元で、小さな羽音がした。蚊が血を吸いに来たのかと反射的に手で振りはらう。しばらく静かになるが、すぐにまた音が戻ってくる。

「ぷぅん……ぷぅぅん……」

また来た。イラっとしてさらに大きく手で振りはらった、そのときだった。

「…ヴぅ……ヴぅうぅ……あ゛あ゛……っ……」

すぐ近く、真横から、くぐもった“うめき声”が聞こえた。

蚊ではない、男の声だ。
擦れるような、蚊の羽音にまぎれるような声で、耳元にぴたりと張り付くような響き。

ぞわり、と背中を冷たいものが這い上がっていく。

視線だけで周囲を探るが、木々がほんの少し風で揺れているだけで、公園には人の気配はない。

「…うっ……ぅぅ……あ゛あ゛…っ……」

吐息が、右の耳たぶをかすめた。

動けない。
体がまるで金縛りにあったように座ったまま硬直する。

すると、さっきまで何もいなかったはずのすぐ隣に“何か”が、いる。
それも、こちらに体を向けて、同じようにベンチに座っているのだ。
恐怖心を落ち着かせながら、ゆっくりと横を向き、隣りにいる“何か”を確認する。

かすかな街灯の明かりが反射し、視界の端に緑色の服を着た生気のない男の顔が浮かび上がった。
そいつは、首をかしげて、にたぁ、と笑った。

それを見てとっさに跳ね起き、転ぶようにして公園を飛び出した。

それ以来、あの公園には行っていない。

近所の人の話では、時折、あの公園のベンチに、誰かが二人並んで座っているのを見るようで、見た人は皆、座っている一人のほうは緑色の服を着た男だったと話している。

 


オカルト番組表

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役立つと思いなんとなくまとめてるだけなので載ってない番組もあると思います。
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