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この頃、私は恐ろしい夢をよく見ました。
人を殺してしまう夢です。
勤務先に、いつも些細なことでも怒鳴りつけてくる憎たらしい課長がいるのですが、その課長の首を派手にカッターで切りつけ、吹き出てくる血にまみれながらも、何度も何度も切りつけ、ついに首を切り離してしまう・・・・・・・・という残酷な夢です。

最初にその夢を見たのは、ちょうど、課長と二人だけで深夜まで仕事をした夜のことでした。
その残業の最中に、課長に怒鳴られたので、それがこんな夢につながったのだろうと思っていました。
ところが、次の日もまったく同じ夢を見たのです。
そして、次の夜も、次の夜も、私は課長の首を切り落とす夢を見てしまいました。

課長は、少なくとも私の職場では嫌われ者です。
自分のミスは棚に上げておいて、部下のミスには容赦なく怒鳴りつける。
それも、些細なことを針小棒大にして、みんなの前で大声で怒鳴りつけるのです。
怒鳴られる者の立場はありません。
陰では、みな、いつか課長に復習してやる、と言ってます。

そんなせいもあるのでしょうか。やがて、私は、課長を殺さなくてはいけないような気になってきました。
課長の首を切り落とすことは正義であり、それこそが、私に課せられた使命のように感じられてきたのです。
課長と二人で会社に残る・・・・・・という、夢と同じような場面がよくあります。
カッターも、私の机の引き出しに入ってます。
私の仕事は、段ボール箱を開けることが多いので、そのカッターはとくに頑丈で切れ味のいい物です。
うまく使えば、首だって苦もなく切り落とせるでしょう。

そのうちに、カッターを手にするたびに、課長の首にスパッと切りつけたいという衝動に駆られるようになってきました。
首を切り落としてしまえば、きっと、さっぱりすることでしょう。

ある夜のことでした。
私はまた課長と二人で会社に残っていました。

「おい、竹島。ちょっと来い」

課長が不機嫌な声で私を呼びました。
また怒鳴られるな・・・・・。
私はうんざりした気持ちになりながら、課長の前に立ちました。

「これは、何だ」

課長は一枚の書類を私に差し出しました。
それは、今日の営業報告書でした。

「これじゃあ薄くて読めないじゃないか」

私は、一日の仕事の終わりに、課長と倉庫宛てに、同じ報告書を提出することになっています。
フォーマットの決まったものですから、ワープロで簡単に作成できるのですが、今日は、一枚をプリントしたところで、使っているレーザープリンターのトナー交換のサインが出てしまい、面倒だったので一枚をコピーして、それを課長に提出したのです。

たしかに、多少薄めでしたが、決して文字が読めないわけではありません。
それを説明すると、課長は悪意をこめた目で私を睨み付けました。

「おまえには、俺よりも倉庫のほうが大切なのか?」

「いえ、そういうわけではありません」

「じゃあ、どうして俺にコピーのほうを提出したんだ?」

「たまたま・・・・です」

「普通はな、こういうときには、直接上司のほうに、オリジナルのプリントを提出するもんだ。常識というか、それ以前の問題だ。要するにお前の頭の中には世間並みの常識も入ってないってわけだ」

<どっちがオリジナルでもコピーでも、同じ報告書なんだから関係ないじゃないか>と私は思いましたが、ここで口答えしても何もいいことはないので黙っていました。
課長は図に乗って、さらに言いました。

「まったく、お前の親はどういう教育をしてきたんだか。いや、親同程度だから教育するも何もなかったのかもしれないな。カエルの子はカエル。そういう言葉があったが、ちょうどお前にぴったりの言葉だ」

別に、私はどんなに悪くいわれてもかまいませんが、親のことを課長にとやかくいわれたくはありません。
たかがコピーのことでどうして親の悪口まで言われなくてはならないのでしょう。

頭にカッと血が上りました。席に戻った私は怒りに任せて、思わず引き出しを開けてしまいました。

何度も夢に見てきたことが、ついに現実となるときがやってきた。
カッターに手を伸ばしながら、私の頭は冷静にそんなことを考えていました。
私はゆっくりと課長に向って歩いていきました。

いよいよ、課長の首をスパッと切るのです。

夢で何度も味わったあの感触を実体験できるのです。

ゾクゾクしながら、私は背後に隠していたカッターを構えようとしました。
その時です。
課長がふいに顔を上げました。
そして、口許しに不気味な笑いを含みながら言ったのです。

「そういえば、俺、このごろおかしな夢をよく見るんだよ。おまえに殺されそうになるんだ。お前がカッターを持ってきて俺の首に切りつけてくるんだよ。いつもガミガミと怒鳴っているから、その復讐だ、なんて叫んでね。昔から、俺の夢は正夢になることが多い。万一、これも正夢だったらヤバいから、自衛のためにこういうものを家から持ってきたよ」

課長が見せたのは、小ぶりの斧でした。
その辺りにあるものなら何でも真っ二つに割ることができそうな、刃の厚い頑丈そうなものです。

「もし、お前に襲われそうになったら、この斧でガツンと頭を割ってやることに決めているんだ。正当防衛だから罪にはならんからな」

課長は楽しそうに口元をほころばせながら、その斧を持って立ち上がりました。
冗談なんかではなく、真剣そのものの目でした。

カッターと斧では、とても勝ち目はありません。
私はカッターを放り出し、そのまま駆けるように会社を飛び出しました。

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