1976年8月20日に放送された日テレ系のワイドショー『ルックルックこんにちは』というテレビ番組。
この番組のコーナーの『TV三面記事』で紹介された二枚の生首の掛け軸のうち、左側に映っていた掛け軸の右目が開くという事件が起きた。
それだけではなく、その開いた右目がわずかに動いているということもわかった。
番組では、この掛け軸の所有者に起こった「この掛け軸を入手して以来、不幸がふりかかった」などといういわくが紹介されたが、番組放送後に視聴者から「生首の目が開いていた」という電話が多数入った。
その後、心霊系番組で紹介されたり検証する番組などがでてきて一躍有名になる。
この絵は青森県弘前市の正傳寺に所蔵されている「渡邊金三郎断首図」と言う掛け軸で、この生首の絵に描かれている生々しい血の部分は金三郎本人の血が使われているとも言われている。
これが一躍有名になった映像
左が渡邊金三郎の断首図で、右が僧光惇の断首図
この絵は本当に怨念的な力が働いているのか、それともなにか仕掛けがあるのか。
目が開いたのではなくてたまたま飛んでいたハエが目の位置に止まっただけ、という説。
そして、この説に対して「ハエだとすると親指より大きいハエということになる」という意見がでてきたり、この生首の絵に対していろいろ議論が行われている。
また『からくり掛け軸』という特殊な手法を用いられた絵ではないかという説も出てきたりしている。
からくり掛け軸とは、胡粉というカキなどの貝を砕いて作られた顔料が使われており、絵に凹凸を付け、光の加減や絵を見る角度によって見え方が違うように仕組んであるというもの。
しかしどうやらこの生首の絵にはそのような細工もされていないという話のようだ。
結局のところ推測でさまざまな説を説いているが、いまだに解明されてはいない。
(参考)青森県立郷土館・東奥日報社「妖怪展」pdf